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コラム 151

移ろい

コラム 152 二百十日・二百二十日
コラム 153 異常気象
コラム 154 ノーベル文学賞
コラム 155 唯一無二の趣味
コラム 156 センテナリアン
コラム 157 米次期大統領の衝撃
コラム 158 紅葉
コラム 159 月の満ち欠け
コラム 160

2016年の総括

 

里主コラム 1~10 51~60  101~110  141~150  191~200
里主コラム 11~20 61~70  111~120  151~160  200~211
里主コラム 21~30 71~80  121~120  161~170  
里主コラム 31~40  81~90  121~130  171~180  
里主コラム 41~50  91~100  131~140  181~190  

 

  • 移ろい

     今年の夏は殊の外熱く、梅雨明け後雨らしい雨も降らず、連日35℃以上の猛暑が続いており、亜熱帯に属するのではと思いたくなります。しかし、季節の移り変わりは確実に訪れ、湿熱漂う夕刻の中でもコオロギは涼しげな音色で鳴き始めました。

  •  鎌倉時代の吉田兼好は「連れずれ草」155段の中にこう書いています。

  • 春くれて後 夏になり
    夏はてて 秋の来るにあらず
    春はやがて 夏の気を催し
    夏より既に 秋は通ひ
    秋は即ち 寒くなり
    十月は 小春の天気
    草も青くなり
    梅もつぼみぬ
    木の葉の落つるも
    まづ 落ちてめぐむにはあらず
    下より きざしつはるに 堪へずして落つるなり
    迎ふる気 下にまうけたる故に
    待ちとるついで 甚だはやし

  • 夏であっても、もう秋の装いがそれとなく来ているものだと述べています。
  •  直営店の欅の木も連日の熱波で毎日散水しても焼け石に水、流石の木の葉も悲鳴を上げ、弱った葉を狙って小さな虫達が美味しい葉を蝕んで茶色くなっています。
     そんな訳で葉を振るうように次々と落葉が続いています。
     毎朝の掃除も、どこか秋の訪れを感じ、竹箒が主役の座を占めています。
     「秋」の気配を探してみてはいかがでしょうか。

 

  • 二百十日・二百二十日

  •  お若い方は何の数字、と思うかもしれませんが、立春を起算日として210日と 220日を指しています。農家にとってはこの期間は厄日そのものです。


  •  この時期の気圧配置は丁度台風が西日本への通路になりやすく、稲作農家にとって早生品種は収穫時期と晩稲は出穂時期に丁度重なりますから、直撃されると凶作になります。


  • 私が記憶している台風で大きいものは
    ❋伊勢湾台風(昭和34年:1959年9月26日)、894ミリバール、最大風速90メートルの超大型台風、和歌山県潮岬に上陸時929ミリバール、後伊勢湾知多半島に再上陸、死者4,697名、行方不明者401名、家屋全半壊149,187棟、家屋流出4,703棟、床上浸水157,858棟、等。


  • ❋第二室戸台風(昭和36年:1961年9月16日)、888ミリバール、最大風速100メートルの超大型台風、高知県室戸岬に上陸時925ミリバール、当地(那賀川地域)を通過、徳島地方気象台の風力計が破壊され計測不能となったが80メートル以上、死者194名、行方不明者8名、家屋全半壊61,901棟、床上床下浸水384,120棟、等。


  •  いずれも被害甚大で、農作物も大損害を受けた恐ろしい台風の歴史です。
     思い起こすと、一週間前から沖が鳴り野鳥が姿を隠し、夕焼けが異常に赤く染まっていました。第二室戸台風は当地を直撃した為、台風の目が自宅付近を通過、台風の目の中に居るわずかな時間は真っ青な晴天、それまでの暴風雨が嘘の様な静寂が有り、その後猛烈な吹き返しが続き恐怖感で一杯でした。普通、風が吹くと木々はなびきますが、なびかずに風下へ歪んだままで、弱い木はそのまま吹き飛んでいきました。入母屋作りの頑丈な家がギシギシ鳴って、瓦はこの葉の様に舞って吹き飛び、暴風雨に当たると顔や手がしぶかれて腫れあがった状態になりました。その時初めて暴風の中でもひときわ強烈な風の球を体験しました。自然の驚異は本当に恐ろしいものです。

  • (第二室戸台風進路コース)

     今年の二百十日は8月31日、二百二十日は9月10日です。
     今コラムを書いている時点(9月2日PM2:00)にも台風12号(現時点で975ヘクトパスカル最大風速30メートル、最大瞬間風速50メートルで勢力増強中)が沖縄:南大東島の西の海上を北東に進んでおり9月4日朝に九州に上陸する恐れあり、予報では5日朝には四国に接近、進路の右側に当たるため被害が大きいと想定されるので、農場では被害を最小限に食い止めるために、早朝より早生品種の稲刈りと収納乾燥に全力を挙げている所です。合わせて家屋等の暴風雨の備えもこれから取り掛かる予定です。
     無事之貴人。

  • 異常気象

  •  今年の夏は例年に比して高温と少雨で大変な夏となりました。
     7月・8月の降水量は例年の半分、平均気温は例年より各0.7℃と1.3℃高く、8月の平均気温は29.1℃を記録しています。
     その猛暑も彼岸が近づくにつれて徐々に和らぎ、此の所の秋雨前線の南下により最高気温が一気に20度台まで下がって、少し過ごしやすくなって来ました。
     雨の日は稲刈りも中休みとなって、乾燥・籾摺や袋詰めなど屋内での仕事が捗ります。
     

  •  所で、直営店の庭に富士山の麓や箱根に自生する桜で四国地方では珍しい「富士桜」が植わっています。(マメザクラとも呼ばれています。)
     それが朝出勤すると、可愛い薄ピンクの花をつけて「春」と間違ってか咲いていました。
     真夏の強烈な酷暑に耐えて、秋の高気圧から吹く北西風で夜間は涼しくなり、桜も季節を間違って花芽をつけて咲いたのでしょう。
     ちょっと愛おしく感じて、花肥を早めに施肥してお礼肥にしたいと思っている所です。

     一年に二度の花を愛でることが出来る幸せな年となりました。

     

  •  「青森ヒバ」も植わっているのですが、こちらはこの夏の猛暑で葉焼を起こして、悲鳴を上げています。青森県の寒冷地に自生している樹木とあって暑さがとても苦手な植物です。毎日たっぷり水を施していたのですが、梅雨明け後の降雨量が半減した上に夜間の温度が下がらなかったために、かわいそうな姿になってしまいました。
     来年の避暑対策をどうしたものかと思案している所です。

     青森ヒバさん「ごめんなさい。」

 

 

 

 

  • ノーベル文学賞

  •  今年のノーベル文学賞にSinger Songwriterの Bob Dylan氏が受賞された。
     フォークソングの生みの親ともゆうべき彼の詞歌が文学賞の栄誉に輝いたことに、心よりお祝い申し上げます。


  •  彼の代表曲に「Blowin’ in the Wind」(風に吹かれて)1963年、があります。
     私の学生時代にフォークソンググループのPeter,Paul and Maryがリリースして歌って大ヒットし1964年に来日してMary Travers, Peter Yarrow, Noel Paul Stookey三人の優しいハーモニーがとても心にしみて日本でも大変ヒットした楽曲です。
     Stevie Wonderもリリースしてヒットした曲でも有名です。
     公民権運動やベトナム反戦を訴えるメッセージソングとして特に歌詞を大事にされ、とても純朴で新鮮であったと記憶しています。私も若い純粋な気持ちで「何で戦争がやまないのだろうか?」と素直に考えました。
     それはやはりこの楽曲の持つ「言葉」と「メロディー」からくる静かな訴えからでした。

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  •  そのベトナム戦争の只中に遭ったベトナムを時系列に記してみました。
    1965年、ベトナムの中央部ダナンに米軍海兵隊が上陸して空軍基地を建設。
    1968年、最盛期54万人もの米兵が南ベトナム領土内に駐留。
    長い南北戦争が続いて、米国内からは反戦運動が徐々に大きくなってくる。
    1973年、ニクソン大統領が戦争終結宣言を出し撤退。
    北ベトナム軍が全面攻撃を仕掛け、残る南べトナム軍は追われて敗走。
    1975年、無条件降伏で戦闘終結し終戦する。
    1976年、ベトナム社会主義共和国樹立、ソビエトの支援を得ながら戦後復興を進める。
    1986年、市場経済へ転換するドイモイ(刷新)政策を始める。
    1991年、ソビエト連邦崩壊。
    1995年、戦争終結から20年目、宿敵アメリカと和解して国交樹立。
    2007年、WTO加盟。
    2008年、VISTA新興国経済国家の仲間入りを果たす。
    2010年、ハノイでASEANフォーラムを開催。
    ベトナム軍・米軍による南シナ海での合同軍事演習を行う。

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  •  そして、私事ですが2016年2月ベトナム訪問、JETROや証券会社、上場企業の訪問、
     ハノイ、ダナン、ホーチミンの各都市の経済発展状況を視察。
     経済状況は日本の1960年代、一人当たりGDPは2,000US$を超えて2020年には3,000US$以上になると言われています。すごく活気があって若い世代が多く、国民性が日本人とそっくりでまじめで勤勉、将に伸び盛りの国です。そんな訳で、ベトナムが好きになり、ベトナム上場企業へ株式投資を始めた所です。
     戦後、日本は復興期から高度経済成長期へと突き進み、今は成熟国家として少子高齢化が猛烈に進行中、国内だけを見ると夢少なき国ですが、日本など先進国を手本にベトナムは発展途上国、同じ海洋国家・農耕民族で仏教徒が90%を占めます。ベトナム語は分かりませんが、新しい世界がそこに待っていると信じて、若い頃の自分に立ち還った思いで、これからもベトナムには毎年足を運び今後の成長を楽しみにしている国です。

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  •  ちなみに、ベトナムで今はやっている楽曲の1位はNOI NHO VO HINH(形のないノスタルジア)だそうです。

 

  • 唯一無二の趣味

  •  私は比較的趣味の多い部類に入ると思っていますが、その中の一つに森林浴絵画が有ります。
     壁装材料の生産販売も手掛けている関係で、研究している最中に思いついた趣味です。
     材料(ECONY)は珪藻土に青森ヒバの精油を注入して紫外線が当たると自然にお部屋が森林浴で包まれる優れもので、殺菌、殺虫、消臭、調湿、空気浄化、香り効果などが有り、左官屋さんが鏝で天井や壁に塗布して仕上げる材料です。
     青森ヒバの精油を高分子でネット状に何重にも繰るんで重ね、5μ程度の粒にしてそれを珪藻土のホールの中に埋め込んで仕上げ、自然光の紫外線によって少しずつ分解されて大気に放出されて森林浴が楽しめるNature素材です。
    森林浴は森の中に入るとテルペン類(森の精気)という物質が数十PPM(10億分の1)漂っています。 それが癒しの効果を与えてくれるのです。
     その材料を使って森林浴絵画(ECONY絵画)を描いています。

    森林浴絵画ECONY

     週一で生徒さんにもECONY絵画教室を開いて教えています。
     結構、面白いもので、水で練って粘土状にして鏝やへらで仕上げていくのですが、一度に少しずつしか塗ることが出来ません。乾いては塗り、乾いては塗リの繰り返しです。
     難しいのは色の出し方で、塗った時の色は濃くて乾くと薄い色に変化しますから、自分が思い描いた色に合わせるのが大変です。ですから何度も何度も感覚で色の変化を憶えながら一つの作品を仕上げていくのです。一つの作品が出来上がるまでに早いものでも一月は必要です。生徒さんは教室に入るや否や、前回塗った色がイメージ通りの色になっていたかどうかが気になり一番に観ます。思い通りにならないのが世の常、ほとんどの方が違った色になって落胆しながら手直しします。

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  •  私の座右の銘「刻楽」をお話して「時間を楽しんで下さい」。
     「思うようにならないからいいのですよ」
     「自然をコントロールはできませんよ」
     「遠回りが近道です」
     「出来上がった時の喜びはプロセスを楽しむことにあります」
     「自然は自然が表現してくれます」
     と楽しい会話の中で作品を仕上げて過ごしています。
     

  •  この趣味はどこか人生共通するものがあります。

 

  • センテナリアン

  •  長寿国、日本の象徴的な数字が65,692人、百歳を超える御長寿の方の人数です。
     総務省の国勢調査で判明した数字で、ちなみに75歳以上の方が1,612万人、14歳以下の子供は1,588万人と初めて高齢者が子供を上回り、総人口は1億2,428万人と国勢調査開始(1920年)以来減少して、107万人も少なくなっています。(在日外国人除く)


  •  百歳を超える方をセンテナリアン(Centenarian)と呼んで、世界には約45万人おいでになるそうです。ちなみに110歳以上の方はSupercentenarianと言います。
     先日、NHKの番組で慢性炎症が大きく寿命に関係していることを特集していました。
     ご紹介しますと、長寿の因子は遺伝が25%、環境が75%だそうです。

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  • 長寿になる秘訣は、


  • 第一にバランスのとれた食事をすること。
    特にオメガ3脂肪酸、ポリフェノール、リコピンを摂取すること。
    (宣伝:弥生紫(黒米)はポリフェノールたっぷりです。)
    腸内細菌を活発にする食事をする。
    抗炎症成分が含まれるEPA・DHA刺身・青魚、大豆、ニンジン、海藻、味噌、を摂る。
    日本人にとって日本食はとても効果的である。


  • 第二に身体活動をよくすること。
    イタリア・サルデーニヤ島の超長寿村の男性と女性の長寿比率が1:1 で、日本のそれは1:9で女性が圧倒的に多いが、島民を調べると毎日平均8Km山を上がり降りして農作業をして足腰が鍛えられていると紹介。


  • 第三に、血流が良いこと。(微小循環が良好)
    老化細胞を作り出す慢性炎症の原因をできるだけ取り除く。


  • 第四に、ストレスをためないこと。


  • 第五に、満足感を与えること。
    生きがい型の満足感を持つこと。
    ボランティア活動、家族を大切にする、世の為人のために働く、アート作品の発表など。
    (快楽型の満足感:食欲、性欲、購買欲、娯楽、は慢性炎症を逆に進めて良くない)


  • 第六に、心の持方。
    健康に強い影響を与える。
    日比野先生(105歳)は今も現役で医師活動を続けておられます。
    感情は脳の全帯状皮質を刺激して良い結果をもたらしている。
    100歳以上の高齢者は良い印象を記憶にとどめ、悪い印象は極力残さないようにしている。


  • 以上のようなことを専門家は調査研究結果と医学的見地から突き止めています。


  •  因みに、私の祖父は明治20年生まれ97歳で亡くなりましたが、その長女は現在103歳で元気そのもの、楽天的で、いつもにこやか、何でも食べて、話好きの良いおばあちゃんです。12月には104歳の誕生日を迎え、お祝いに駆けつける予定です。

     

  •  皆様も、健康百寿者を目指して六の前項目を心がけてはいかがでしょうか。

     

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  • 米次期大統領の衝撃

      Super Tuesdayでアメリカ大統領にドナルド・トランプ氏が当選しました。
     それを受けて日経株価は919円の大暴落、しかし翌日は1092円の暴騰、為替相場は円ドルで5円も乱高下を演じ、その後円安が進行しています。
     世界中の政治・経済界は先の見通しがたたず不安心理が蔓延しています。
     オバマ大統領は国家運営の永続性を考慮に入れて早速にトランプ氏と会談、各国首脳もトランプ氏に会談を申し入れて、破天荒な選挙公約の真意を見定めようとしています。
     各メディアも想定外の結果に、事前調査の見直しを迫られています。


  •  今回の勝利は、所得格差が進行するアメリカ社会で不満が鬱積している中間所得層に的を絞ったキャンペーンが功を奏した選挙戦術の勝利でした。
     リーマンショック後の景気回復で所得が増えたのは上位所得の2割、特に上位1%層が全
     米所得の2割弱を占めると言われています。こんな歪な所得分配に怒り心頭した一般大衆が決起を起こしてトランプ氏に託したのです。
     超大国アメリカが戦後70年を経て超大国の看板を外して、只の大国として内向き政策を採ろうとする歴史的瞬間になるかもしれません。


  •  「トゥキディデスの罠」というのが有って、紀元前5世紀に隆盛を極め伸び盛りの大国アテネと弱体化が見え始めた大国スパルタが30年もの間戦争して共に滅びた歴史があります。新興大国が既存大国に挑戦して戦争になる悲劇が過去1500年の間に11回起こっています。そして戦争まで至らなかったのが僅か4回、直近では既存大国イギリスと新興大国ドイツの第一次・第二次世界大戦で、ご承知の通りアメリカ・イギリス等の連合軍の勝利に終わりました。


  •  今回トランプ氏が掲げる超大国から普通の大国へ脱皮を図る言動を見るにつけ、新興大国中国の出方が大変気になる存在です。
     日本は隣国として文化的、経済的に深くて長い歴史的付き合いがある中国、戦後自由主義経済の御旗のもとにアメリカナイズされながらもその恩恵を十二分に受けて、同盟国として利益を共有するアメリカ、その両国の考え方が理解できる唯一の立場にあります。
     「トゥキディデスの罠」に入らない為にも、軋轢を生じさせない調整役を果たせる唯一の国としてその責務は大きいと考えます。その為にもアメリカ追随でなく日本独自の国家運営を図り、アメリカ・中国と共に歩む道を開かなければならないと考えます。
     西洋文明と東洋文明には相違点が沢山あり、それを埋め合わせ理解しあうには時間がかかります。

  •  両大国が胸襟を開いて話し合い、必要とあれば仲立ちをして日本が進言する国家になる時代だと考えます。
    数十年後、重大な問題が生じ悲劇が繰り返されない為にも日本の国家像を進化させる必要があると痛切に感じます。
    この度のアメリカ大統領選挙はそんな時代の分岐点であるかもしれません。
    皆様はどの様にお考えになりますか。

 

 

  • 紅葉

     ここ数日来より最高気温が20度を割り込み、木々も一斉に秋の装いへ変身を始めました。
     年々紅葉の時節が遅くなって、その時期も短期間の様子に感じます。

  •  やはり温暖化の影響でしょうか。

  •  
     今日は晴天無風の小春日和とあって、近くの公園の紅葉の様子を伺ってみますと、五分ほどに色づいた台湾楓(タイワンフウ:樹齢50年越え?)がとっても美しく色づき始めて、とげとげの丸い実は未だ早いとあって緑色で沢山ついています。森林浴を楽しみながら秋を満喫し、自然のアートが心にしみて情緒を豊かにしてくれます。

    里主コラム158紅葉

     この公園は1986年の映画「眉山」のロケーション現場で、女優宮本信子さんと黒瀬真奈美さんが夜の公園で阿波踊りをする場面が撮影され、楓の木々が醸し出す演出で効果満点でした。

    里主コラム158眉山ロケ

     八十路を超えたとお見受けするお爺さんは、一年中欠かさずボランティアで公園の掃除をされ、今日も元気に落ち葉を掻き集めて、お手製の専用カート台で運んでいます。それもゆっくりとした自分のペースで足取りを確かめながらの作業です。きっと生きがいにされているのでしょう。心より感謝申し上げると同時に、いつまでも元気でそのお姿を拝見できることを願っています。
     他方お子様連れの若夫婦は、幼子が落ち葉の中をはしゃいで駆け廻るのを心配そうに目配りしながら楽しいそうに会話を弾ませています。
     公園を一望できる所にキャンバスを立てた中年の男性は、色づいた楓を無心で眺めては油絵具を調合して筆を走らせ、自然の情感を表現されています。
     日常の公園風景の一コマですが、私もその中に入ってデジカメでパチリ、楓の一瞬を収めてご機嫌です。
     皆様も何気ない生活の中に感動を見出すことはありませんか?

 

 

  • 月の満ち欠け

     大都会にお住いの方々は、夜空を見上げることなど殆どないことでしょう。
     田舎で農業を生業とするものは、太陽の運行、月の運行を基に作物を育てていますから、毎日空を見上げながら天候を肌感覚で感じて暮らしています。
     例えば稲は短日性植物ですから日照時間が短くなってくると稲穂が実り、時期を見計らって稲刈りをします。
     これから正月を迎えるにあたり料理に欠かせない伊勢エビは、習性で闇夜に行動をしますからその時を狙って網を入れて漁をします。今年の12月の新月は29日ですから、新年に間に合わないので漁師は11月29日の新月を前後して漁をします。因みに満月は今日14日ですから、この時期は網の手入れなどに時間を割きます。

  •  残念ながら今日は雨模様で満月を眺めることは叶いませんが・・・。


  •  皆さんがよくご存じの出産ですが、普通分娩では必ず満ち潮の時に生まれます。
     人間は海の生き物が進化して今に至った関係で、赤ちゃんは羊水(原始の海)に浮かんで育ちます。体液の塩分濃度は0.85%で原始の海の水と同じで今も保たれています。
     山仕事は寒の仕事、下弦の月から新月の間に伐採すると害虫が入りにくく、反りが少なくて腐りにくいのでこの時期に切り出します。冬場は根から水分を吸収することを停止していますから、良質の建築資材(樹木)はこの時期を選ぶのです。
     都会は人工的に造られた空間で生活していますから、自然と縁遠い様ですがそれでも集中豪雨や少しの積雪で機能麻痺を起こし、忽ち支障をきたしてニュースになります。
     人々は大昔から信仰の対象として「日月清明」つまり太陽と月、天照大神と豊受大神を崇めて安定を願ったのは、その運航の中に組み込まれ生かされている崇高な思いから、信仰心となって受け継がれて来たのではないでしょうか。

  •  

  •  田舎仕事に従事する者にとって、空を見上げることは生活の一部です。
     都会の方々には、癒しの空間としてちょっと空を眺めて頂くことをお勧めします。
     喧騒のビルの谷間に浮かぶ月も趣があっていいのではないでしょうか。
     心にゆとりができること請け合いです。

  • 2016年の総括

     師走も押し迫り、今年を振り返ってみますと、世界経済では2月に中国経済の先行きを懸念して原油相場が暴落、6月には英国のEU離脱選択、11月は米国次期大統領にドナルド・トランプ氏が当選と「ブラック・スワン」が舞い降り、いずれも予期せぬpopulism政権が誕生して大衆迎合の危うさを感じます。


  •  自由主義経済の先頭を行く両国が内向き政治に変貌し始めた原因は、経済のグローバル化で富が一部に偏在して中間所得層は打撃を受け、その再配分の適性化を求めた中間所得層の憤りが選挙で爆発、戦前の予想を覆して勝利を治め、行き過ぎた経済行動を是正する動きが胎動しています。
    国内だけでなく各国間においてもその是非が問われ、TPPが瓦解を始めました。
     金融政策では米国のFRPが12月に1年ぶりに 0.25%の利上げを行い、新興国から資金移動が始まり、中国の元相場は米1ドル/7元越えが目前に迫り、同国の外貨準備高は3兆9千億ドルから一気に3兆ドルの壁を割りそうな気配となっています。アメリカが独り勝ちの様相で日本円も米1ドル/118円まで一気に円安が進み、その結果輸入物価が高騰、輸出関連業界は思わぬ為替差益で好決算が予想されています。
     農業分野では小泉進次郎自民党農林部会長のJA改革が波紋を呼び、農業資材価格の引き下げや流通構造の見直しなど農家の生産コスト圧縮へ向けて岩盤組織に牛歩改革が進展しつつあります。他方、コメの輸出は前年対比で3割以上増加、今後も着実に拡大が予想されています。国内は人口減少と食の多様化などによって毎年8万tペースでコメの消費量が減少し、高齢者世帯、単身世帯、共働き世帯の増加により個食が進み、健康志向から分づきや玄米食、黒米などの栄養素を考慮した米のニーズが高まり、IT革命から無店舗販売が加速化して宅配ビジネスが開花しています。
     幣里は長年健康志向米の開発に取り組み、今年の目標も無事に達成して、step upした年となりました。
     農林水産省主催の「フード・アクション・ニッポンアワード2016年」に於いて全国1008品の中から究極の一品10品が選考され、めでたく入賞の栄誉に輝きました。
     高品質と安全性、美味と健康増進に沿った食材として認めて頂き、長年の苦労が結実した瞬間でもあり、もっと良い商品作りに精進しなければならないとの思いで一杯です。

  •  

  •  私個人としては前半activeに行動し、後半は棘上筋の手術から健康回復に努め、専ら未来に向かって計画を練った年となりました。
     今年もいろんな出来事が起こりましたが、「刻楽」(時を楽しむ)の心で暮らした日々でした。


  •  皆様にとって今年はどんな一年であったでしょうか。

     

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